【決定版】Xserver レンタルサーバーとVPSの違い

「XServer レンタルサーバー」と「Xserver VPS」は、どちらも「XServer」であり、似たようなものではないかと混同しがちですが、それぞれが持つ役割はまったく違います。

一言でいえば、レンタルサーバーはウェブサイト運営、VPSはアプリやシステム開発・運営に向いています。

XServerのレンタルサーバーとVPSのメリット・デメリットから、それぞれの特徴を知り、あなたのニーズにあったサービスを選びましょう。

共有サーバーと仮想専用サーバーとは？

レンタルサーバー(共有サーバー)とVPS(仮想専用サーバー)は、どちらも他者と共有の物理サーバーを利用しています。

しかし、共有サーバーと仮想専用サーバーでは、サーバーの使い方や役割がまったく異なります。

レンタルサーバー(共有サーバー)の概要

レンタルサーバー(共有サーバー)は、複数のユーザーが同じ物理サーバーを共有する形で提供されます。

サーバーを自分で購入・管理することなく、Xserverを始めとするサービスプロバイダーから借りることで、誰でも手軽にサーバーを利用することができます。

個人や中小企業でも手軽にウェブサイトを運営することが可能になることから、Webサイトを手軽に開設・運営したい場合に適しているでしょう。

VPS(仮想専用サーバー)の概要

VPS(仮想専用サーバー)は、物理サーバーを仮想化技術によって複数の仮想サーバーに分割し、それぞれを独立したサーバーとして利用できるサービスです。

VPSは、レンタルサーバーと専用サーバーの中間に位置し、より高い自由度とパフォーマンスを提供します。ユーザーは、VPS上で独自のオペレーティングシステムをインストールしたり、サーバーの設定を自由にカスタマイズすることが可能に。

特定のアプリケーションを動かしたい場合や、より高いセキュリティが求められる場合に適しているでしょう。

XServerのレンタルサーバーとVPSの違い

XServerのレンタルサーバーとVPSは、どちらもコストパフォーマンスの抜群なサーバーですが、それぞれにメリット・デメリットがあります。

レンタルサーバーのメリット・デメリット

メリット	デメリット
ウェブサイトの開設・運用がかんたん さまざまな機能を専門知識なく実装可能	カスタマイズ性が低い 他者のサーバーリソースの影響を受ける可能性

メリット①：ウェブサイトの開設・運用がかんたん

XServer レンタルサーバーは、サーバーの契約とともにドメインを取得し、そのままWordPressサイトを開設することができます。

もちろん、ドメインレジストラでドメインを取得後に、あらたなWordPressサイトを開設するときにも「WordPressクイックスタート」で簡単にサイトを構築できます。

また、サーバーのバックエンドはサーバー会社が管理しているため、ウェブサイト開設後はコンテンツ制作や情報発信に集中することができます。個人ブログレベルであれば、ウェブサイト開設後にサーバー管理画面を開くこともほとんど必要ないでしょう。

さらに、XServer レンタルサーバーであれば、WordPressの高速環境である「KUSANAGI」と呼ばれる技術をサーバーに採用しています。ブログやアフィリエイトサイトの運営を考えている人は、XServer レンタルサーバーを選択すべきでしょう。

メリット②：さまざまな機能を専門知識なく実装可能

XServer レンタルサーバーは、サーバー管理画面からさまざまな機能を簡単に実装できます。

たとえば、WAF(Web Application Firewall)のようなセキュリティ設定や、XpageSpeedのようなサイトの高速化設定もクリック操作だけで誰でも簡単に設定が可能。CSSやJavascriptコードのような専門知識は一切不要です。

また、ファイルやデータベースのバックアップはサーバーサイドで自動でおこなってくれており、サーバーのリソース(CPU・メモリ・転送量の使用状況や負荷状況)も一目で確認することができます。

XServer レンタルサーバーは、ウェブサイト運営に必要な機能を備えており、ブログやアフィリエイトサイトを手軽に運用したい人に最適といえるでしょう。

デメリット①：カスタマイズ性が低い

XServer レンタルサーバーに関わらず、手軽にサイト運営ができる、機能の実装がかんたん、そのようなメリットと表裏一体のデメリットとして、カスタマイズ性の低さがあります。

htaccessの編集やドメインのDNS設定など、サーバー操作で多少のカスタマイズを加えることができますが、サーバーの管理権限レベルがVPSに比べて低く、こまかなカスタマイズを加えることができません。

そのため、アプリやシステムの開発・運営には向かず、あくまでもウェブサイトの運営が主であると考えるべきでしょう。

デメリット②：他者のサーバーリソースの影響を受ける可能性

レンタルサーバーは、サーバーリソースを複数のユーザーで共有しているため、他者のリソース消費量が多いとあなたのサイトのリソース量が圧迫されてしまう可能性があります。

たとえば、あなたが使用しているサーバーと同様のリソース環境で、トレンドサイトやニュースサイトを運営しているユーザーがいるとします。そのサイトのアクセス数が一瞬で急激に増加した場合、あなたのサイトのパフォーマンスが低下する可能性があるということ。

ただ、レンタルサーバーを利用していて、実際に他者のリソースの影響を受けたことはありません。特に、XServer レンタルサーバーはサーバー処理性能も高く、負荷耐性が強く安定しているため、大きな心配はないでしょう。

とはいえ、レンタルサーバーの場合は他者のリソース状況が影響することも念頭に置いておきましょう。

XServer レンタルサーバーについてさらに詳しく知りたい人は、「エックスサーバー 評判/口コミ | デメリット3つとメリット8つ」をご覧ください。

VPSのメリット・デメリット

メリット	デメリット
さまざまなアプリケーションを実装可能 カスタマイズ性が高い 他者のサーバーリソースの影響を受けづらい	サーバーの管理に専門知識が必要 ウェブサイト開設・運用がレンタルサーバーより複雑

メリット①：さまざまなアプリケーションを実装可能

XServer VPSはさまざまなアプリケーションを簡単に実装可能です。

項目	対応OS・アプリケーション
OS	AlmaLinux / Arch Linux / CentOS / Debian / Fedora / openSUSE Leap / Oracle Linux / Rocky Linux / Ubuntu
アプリ ケーション	AIツール：Auto-GPT / BabyAGI UI / Dify /GPT Engineer / StableStudio / SuperAGI ビジネスツール：Jitsi Meet / Mattermost / Nextcloud / Redmine / Rocket.Chat / Zulip プログラミングツール：Django / GitLab / Laravel / Node.js / Ruby on Rails ブログ・サイト制作：baserCMS / Bluesky / Concrete CMS / Drupal / Joomla! / KUSANAGI(AlmaLinux 8) / KUSANAGI(AlmaLinux 9) / KUSANAGI(CentOS Stream 8) / KUSANAGI(CentOS Stream 9) / LAMP / Mastodon / MediaWiki / Misskey / Strapi ゲーム：ARK: Survival Evolved / Arma 3 / Assetto Corsa / Barotrauma / Core Keeper / Counter-Strike 2 / Craftopia / DayZ / Don’t Starve Together / Enshrouded / Factorio / FiveM(GTA V) / Garry’s Mod / Killing Floor 2 / Minecraft Forge / Minecraft Java版 / Minecraft Mohist / Minecraft Paper / Minecraft Purpur / Minecraft Spigot / Minecraft SpongeVanilla / Minecraft 統合版 / パルワールド(Palworld) / Project Zomboid / Rust / Satisfactory / Soulmask / Squad / Team Fortress 2 / Terraria / Unturned / Valheim / 7 Days to Die サーバー管理・その他ツール：ArchiveBox / BackupPC / Cacti Nagios / Docker / Dokku / Jenkins / LEMP / Matomo / Metabase / MongoDB / OpenVPN / Prometheus / Redis / Ubuntuデスクトップ[GNOME] / Ubuntuデスクトップ[LXDE] / Webmin / Zabbix / Valkey

レンタルサーバーでは上記のようなアプリケーションを実装することはできません。

XServer VPSなら、あなたのニーズに合わせて、さまざまなアプリケーションを自由に実装できます。

メリット②：カスタマイズ性が高い

XServer VPSでは、サーバーの「root権限」が与えられます。

root権限とは、システムの管理者アカウントに与えられる、ほぼすべてのサーバー操作が可能な権限のこと。

以下は、OenVPNのサーバーにroot権限でアクセスしているコンソール画面です。

XServer VPSなら、アプリケーションのコントロールからセキュリティ設定など自由自在で、サーバーの操作にほぼ制限がありません。

VPSはレンタルサーバーと比較して、追加・変更したい機能を、あなたの権限のもと操作できるカスタマイズ性の高さが光ます。

メリット③：他者のサーバーリソースの影響を受けづらい

VPSでは、物理サーバーを他者と共有していますが、仮想化技術により、まるで専用のサーバーかのようにリソースが確保されています。そのため、他者のリソースを受けることがありません。

最小メモリ 2GB、vCPU 3GB、NVMe SSD 50GBからのサーバーリソースを、まるで専用サーバーかのように利用することができます。

サイトやアプリ、何らかのシステムを運用している場合、リソースが確保されていれば、ユーザー体験が損なわれることがありません。

特にXServer VPSは、ハイスペックサーバーであり、メモリ・vCPU・SSD容量もあなたの必要量に応じて月830円〜提供しています。それに合わせた運用ができるうえに、優れたユーザー体験を提供できるようになるでしょう。

デメリット①：サーバーの管理に専門知識が必要

XServer VPSでは、サーバーのroot権限が付与される一方で、サーバーの管理は自分でおこなわなければなりません。

もちろん、あくまでも仮想です。物理的なサーバーの管理などサーバーサイドについては、運営会社であるエックスサーバー株式会社が管理しています。

ただし、アプリケーションやウェブサイトのセキュリティやデータ管理をすべて自分でおこなう必要があり、ある程度の専門知識が求められるでしょう。

デメリット②：ウェブサイト開設・運用がレンタルサーバーより複雑

XServer VPSでは、WordPressサイトに高速化技術の「KUSANAGI」を導入することができます。

XServer レンタルサーバーは「KUSANAGI技術」であり、純粋なKUSANAGIではありません。その点でXServer VPSは優れていますが、コンソール操作が必要であり、レンタルサーバーと比較するとWordPressサイトの開設・運用が複雑です。

以下は、KUSANAGIログイン後のコンソール画面です。

コンソール操作がわからないという人は、XServer レンタルサーバーを選ぶべきでしょう。

一方で、コンソールに抵抗がない、あるいはマニュアルを見れば自分で操作可能な人は、XServer VPSを利用することで、純粋なKUSANAGIによる高速なウェブサイトを運営することができます。

XServer VPSについてさらに詳しく知りたい人は、「本気レビュー！XServer VPSの評判と知られざるデメリット・メリット」をご覧ください。

レンタルサーバーとVPSを選ぶポイント

XServer レンタルサーバーとXServer VPSの選ぶポイントは、以下の通りです。

• ウェブサイトを開設・運営する
    XServer レンタルサーバー
• アプリやシステムを開発・運用する
    XServer VPS

Xserver レンタルサーバーとXserver VPSは、運営母体が同じエックスサーバー株式会社。サーバーの基本性能やサポート体制などは、ほとんど同様です。

また、どちらも競合他社と比較してサーバー料金が低く抑えられているため、あなたが「何をしたいのか」という利用用途で選べば問題ないでしょう。

まとめ：利用目的に合わせた選択を！

XServer レンタルサーバーとXServer VPSは、それぞれ異なるニーズに応じたサービスです。

初心者や手軽にウェブサイトを運営したい方にはレンタルサーバーが、カスタマイズ性や専用リソースが必要なアプリやシステム開発をしたい方にはVPSが向いています。

XServerはレンタルサーバーもVPSも、競合他社と比較してどちらもコストパフォーマンスが圧倒的に高い！

あなた自身の技術レベルや目的、必要な機能を考えてどちらか選びましょう。

• ウェブサイトを開設・運営する
    XServer レンタルサーバー
• アプリやシステムを開発・運用する
    XServer VPS